テラネット会員が全情連のデータベース(STARS)に照会した場合、全情連に加盟する消費者金融などを延滞することなく利用しており、かつ貸出残高がある分については、借入件数のみが表示されるしくみになっている。もちろん、逆方向の照会についても同様のしくみである。なお、延滞情報については交流していない。それは《CR−N》上でという考え方だ。これまで、クレジットカード会社各社は、自社が加盟する信用情報機関と《CR−N》による照会を見てカード発行の是非を判断していた。そこで「事故情報なし」と出て、いざカードを発行してみると、じつは多重債務に陥っていた、またはそれに近い状況だったという事例が適正な与信に障害となっていた。実際、会員各社からも「全情連の情報を照会できるようになってから、いままでカードを発行していた案件でもお断りする場合が出てきた」「逆に。いままでお断りしていたお客さまに適正なご融資をすることができた」との声が多数報告されているという。これですぐに多重債務等が激減すると考えるのは早計だが、適正な与信に対する効果は確実に表れているといえよう。
潜在的・顕在的失業者は、長期的には、いずれ他の分野の生産活動に吸収される。この吸収過程で労働に対する需要は輸入障壁が引き下げられる以前よりも減少しているから、賃金の伸び率が鈍化し、それにつれて労働が吸収された産業の生産物の価格も低下する。そのためこれらの産業の製品の国際競争力は増大するので、これらの産業の製品は従来からの輸入に取って代わる(したがって輸入が減る)か、輸出される。このようにして、長期的に完全雇用の状態に復帰すると、輸出品と輸人品の構成は変化するが、経常収支は輸入障壁が引き下げられたり、外国企業との取引が増加したりする以前の水準に戻ってしまう。結局、市場開放が日本の長期的なGNPと民間消費・民間国内総投資・政府支出を変えない限り、日本の長期的な経常収支の黒字の大きさを変えることはない。ただし、このことは、市場開放を一層進めることが日本の消費者の利益になることを否定するものではない。それに対して、日本で不足している下水道・公園・鉄道・生活道路などの生活関連の社会資本の整備を、建設国債を発行して進めれば、日本の財政収支の黒字が縮小して、内需が拡大するから、長期的にも日本の経常収支の黒字を削減する効果がある。
円の価値が高く評価されるのであれば、円高は日本にとって喜ばしいことにも思えるが、輸出企業にとっては死活問題である。大手輸出企業では、円高が1円すすむことにより、年間で億単位の損失が生じるとさえいわれている。たとえば、100ドルの値がついていた商品を輸出する場合、1ドル=100円のときには1万円手元に入ってきたものが、1ドル=90円の円高になると9000円しか入らないことになる。大手企業のように何十万、何百万円単位の商品を輸出していると、たとえ1円の円高であっても大損害につながってしまうのだ。日本は、80年代、90年代にも円高を経験しているが、今回の円高の特徴はあまりに急激だった点にある。2008年10月における円の主要通貨に対する価値を見てみると、なんとひと月で平均約20%も上昇しているのだ。アメリカドルに対しては106円から93円台で上昇率は約11%、ユーロに対しては150円から117円台で約21%、オーストラリアドルに対しては約32%と、通貨によってばらつきがあるものの、平均20%もの上昇率は尋常ではない。通常の月間変動率2〜3%と比べると、7〜10倍にあたる。このような急激な変動が起きるのは、統計学的には約4000億分の1の確率だといわれている。
Copyright (C) WWW.MUGABA.COM. All Rights Reserved.