一般的言われている事ですが、自動車保険に加入したら、一定の確率で事故を起こすやつがいる。その事故を一手に処理しているのがサービスセンターだ。おれがいるところは五〇人ぐらいの世帯。職員三五人、パートー五人ぐらいの感じだな。これだけ大きなサービスセンターは各県に一つぐらいしかない。通常、母店と呼ばれ、その配下には10人とか二〇人程度の出先サービスセンターがいくつかある。このサービスセンターを統括するのがセンター長または課長で、一流大学を出たエリートが抜擢されている。その下に、コントローラーまたは次席と呼ばれる課長代理クラスや副長クラスのエリート社員がいる。五〇人規模のセンターになると、三席と呼ばれる主任クラスのエリート社員が控えていることも多い。純粋培養されたエリートといわれる社員は、サービスセンターにはせいぜい三人ぐらいしかいない。これらエリート社員だけを区別して、課長席あるいはコントローラー席と呼んでいる損保もある。コントローラーとは、仕事のコントロールはもちろんのこと、職場内の人間関係やコミュニケー・ション、社員のマインドコントロールまで任されている。あとの社員は、おれも含めて、中途採用の世間からはじき出されたアウトローなやつがほとんどだ。放っておくと何をやらかすかわからないため、課長席の身内に対する監視はやたらときつい。捕虜収容所の監守みたいなもんだ。たしかにこれまで、示談の相手方とつるんで、数千万円も余分に保険金を払って、山分けしていたやつはいっぱいいる。まずほとんどの課長は、中途採用の社員なんか信じていない。だから日頃から、子会社や中途採用の社員は疑いのまなざしで見られているんだ。損保のサービスセンターには本当にいろんな人種が入り乱れている。人種といっても、外国人がいるわけじゃない。保険会社はどこでも調査専門の子会社を持っているんだ。サービスセンターの職員には、この子会社の職員が半数近くいる。それと、損保本体で年中募集している専門職や業務職(主として女性職員)がサービスセンターという最前戦での実働部隊である。サービスセンターの中は大きく三つのチームに分かれているんだ。まず、一番人数が多いのは、自動車の物損事故を担当するチーム。次は人身事故を担当するチーム。その次は火災新種保険を担当するチームだ。
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